・俄雪






凍える風の吹きさす季節が  近づき街は雪を待っている
ラジオから聴こえる流行の詩たちは  一足先に雪を纏った

忙しそうに行き交う人  幸せそうな恋人たち
見上げた空  ビルの隙間 高く青く続く

この街にも雪が降ってきたなら・・・
あのころの気持ち思い出せるだろうか?

今では忘れてしまった  貴女の笑顔を

毎日をひたすらこなしていて  昔を振り返る余裕もなくて

心の奥にしまっていた  古びた歯車(ギア)がもう一度
軋みながら回りだす  時がくるだろうか

忘れていた冬の日の出来事
空から届く想い出の粉雪

あの時泣いていたのは  雪のせいなの?

この街にも雪が降ってきました
季節がくれた暖かな粉雪

ひらひら舞う真っ白な記憶を
手で受け止めた刹那の間に融けてく

纏う様に降り続く想いも
心の中に積もることはないのだろう

もし明日偶然貴女に  この街で会えたとしても
何も言わない